世渡り上手な福猫のムック

金目の猫は福猫☆ムック

 番外編 ムック
猫生(人生)を自分で決めて生きる 福猫のムック

我が家の猫になった時、ムクムクと太って
大きかったから、ムックと付けました。

よく私のバイクのシートに座って日なたぼっこを
していたので、通る人みんなが大きいねー、
デッカイナーとびっくりして行きます。


ムックには名前が沢山あります。
デブちゃんの知るかぎりでは、アカ、トラちゃん、
ジロー、タケちゃん、そしてデブちゃん
行く先々で名前をもらっています。

隣の町会にいたようで、近くに小学校があり、
子供たちに可愛がられていたそうです。

何せ絶対にと言っていい程、噛んだり、引っ掻いたりしない子ですので。

年齢は不詳です。

我が家に来たのはミナコがお目当て。でもミナコはもう手術してあるので、
お役に立ちません。

近所のメス猫たちも、皆手術済みの為、2ヵ月近くもワオッ、ワオッやってうるさいし、
オシッコのスプレーを掛けて回るので臭くて、姿を見る度に追い払っていました。

 

その内、私のバイクの上に乗ってる事が多くなり、誰が触っても嫌がらないで
触らせるので通行人のアイドルです。

その頃のある日、ケンカで目をやられ、片目がつぶれた状態でやって来ました。
医者に見せた所、眼球には異常はなく、ウミを出してもらって済みましたが、
その半年後、同じ状態で来た為、このままだと近い将来、片目を無くすと思い、
治療中の先生にお聞きしたら、キョセイすればケンカも少なくなるとおっしゃる
ので手術をしました。

確かにその後は、引っ掻き傷程度のケガはしても、病院に連れて行くようなケガ
は、しなくなりました。

手術後、なぜか目が丸く大きくなり、顔も丸顔になり、とても可愛いい顔になっ

て、益々通る人の人気者になり、頭をなでて行く人、携帯で写真を撮って行く人
がいます。

その中のお一人が、この猫、珍しいくらい、目の茶色が濃くって、こういう目を
金目といって福猫なんですよ。とおっしゃっていました。




世渡り上手なムック

ジローと呼ばれていたお宅に、大怪我をして、病気で寝ていたご主人の布団に倒れ込んで
いたそうで、治療費に8万円も掛かってしまったと、嘆いていましたが、病気のご主人は
二カ所の病院でもうダメと言われていたのが、奇跡的に良くなりました。


    
お尻には見事な、治療費8万円の傷跡が残っています。


奥様も持病の糖尿病が快方に向かい、仕事場から2時間も、歩いて帰られるくらい元気に
なられ、『ジローが福を持って来たのねー』と奥様とお話したことがありましたが、その
お宅が引越をされ、それ以後、ご主人と奥様交互に入退院を繰り返していると聞きました。

福猫と離れたせいでしょうか?
               

ムックは我が家に2年くらい居たのですが、 
近所のお宅に入り込み、そこの子になってしまいました。
ご夫婦二人きりなので、居心地が良いようです。

そのお宅の奥さんが、うつ状態が長く続いていたのが、ムックが行ってからは、ムックに
癒されて元気になり、『ムックちゃんが生き甲斐!』と言って喜んでいます。
『ムックちゃんに、私より先に死なないでね!。と言っているんですよ』とも言われてい
ました。

ムックは、やはり福なのでしょうか・・・。

 

幸せでない家を見つけて、入り込んで行くようです。
この家に入ろうと決めたら、ぶたれようが、けとばされようが関係なく、何が何でも入っ
てやるとばかりに、無理矢理入って来ます。

人間の方が虐待するのに気が引けて、手加減してしまいます。
我が家にも、そうして無理矢理入って来ましたが、我が家は、問題がなかったようで、
ムックの福は、もらえなかったように思います。


義理堅いムック

近くの家に居を移したムックですが、ご近所の人の話によると、一日に何回か、我が家に
来ているようです。2〜3日会わないでいると、家族の誰かが出てくる迄、待っているら
しく、自分の姿を見せると帰って行きます。

ジローと名ずけられたお宅でも、奥さんが帰って来られる4時近くになると、そのお宅に
通じる道を歩くムックを何度か見かけましたし、引越しされた後でも、動物のかなしさ、
引っ越されたのが分からずに、今もたまに見かけます。

そんな時、『ムッちゃん、もう行っても〇〇のお母さん達は居ないんだよ』と心の中で言
いながら、その後ろ姿に涙してしまいます。

テリトリー巡回だと思われる方もあるでしょうが、奥さんの帰って来ていた4時頃という
時間に、不思議を感じます。
              
 長生きしようね、ムッちゃん!