私のそばで自分の毛のお手入れをする時、自分のを舐めて、私の腕を舐めて…。 と交互に毛ずくろいをしてました。 猫流のお手入れでは、ザラザラして痛いので、ニャコちゃん痛いよ!ペチョペチョにして…。 すると舌を丸めた感じで、何とも柔らかな感触で舌を押し付けてきます。
死因は、急性腎不全。我が家に来てから10年。 来たときは、もう相当な大人猫でしたから、15才以上だったかもしれません。 トイレに何度も出入りして、したいのに出ないといった感じで、そのうちにトイレ以外のところで、 ピンク色のドロッとしたゼリー状のものを、排出しました。 あわてて、近くの動物病院に連れて行ったら、膀胱炎とのことで注射をしてもらい、夜の11時に 薬を飲ませて様子を見るようにと、言われて帰りました。 指示通りに薬を飲ませ、深夜2時迄様子を見ていて、落ち着いているようなので安心して眠りに ついたのですが、早朝4時頃、母にニャーが変だと起こされました。 物置にしている部屋に入り、物の奥へ奥へと入り込んで行こうとしています。 猫は、死ぬときは隠れてしまうと、聞いた事を思い出して、必死になって抱きしめました。 ギューと力強く抱きしめていないと、すごい力で前へ前へ行こうとします。 病院の迷惑にならないように、起きているであろう7時を待ちました。ただひたすら、 抱きしめて待ちました。 7時では早すぎて、まだ寝ていたら悪いと考えて、あと15分だけと必死で我慢しました。 7時15分を確認して電話したら、10時に連れて来て下さいとの、つれない言葉で電話が 切れました。 ちょっと様子が変だというだけでは、病院に無理も言えないが、でも10時までは待てない、 怒られてもいいからと、9時には連れて行こうと決めました。 8時45分、ああ後15分だ。そろそろ連れて行こうと思ったら、ニャーの前に行こうとする 力が弱まりました。薬が効いて来たのかなと思いつつ、5時間近く抱いていて、疲れたので ちょっと横になるつもりが、ニャーがおとなしくしているので、うっかり寝てしまいました。 気がつくと9時45分、ニャーは私の胸の上で静かにしていたので、 良くなったのかと頭を起こして見ると、舌がダラリと出ています。 びっくりして飛び起きて、ニャコちゃん、ニャコちゃんと何度か呼びかけたら、ガハッ、ガハッ と2度吐く素振りをした後、目がカッと見開いたままになりました。 あわてて歩いて4分の所にある、電話した病院に連れて行きました。時間はちょうど10時。 家を出た時からずっと目を見開いたままなので、明らかにダメと判っているのに、朝7時から 3時間も待たせた、後ろめたさでしょうか、先生は酸素吸入などの蘇生術をしていました…。 ニャーが居なくなって11年経った今でも、早朝4時の病状急変の時、病院に遠慮しないで、 先生が起床してもいいであろう、7時になぜ行かなかったのかと、後悔と自分を責める気持ち から、涙が出てきます。 せまい風呂場に入るのも嫌がっていた子が、一緒にお風呂に入るようになったり、何度かの 病院通いも、大きめのトートバックや、リュックに引きひもも付けずに入って、首をキョロ キョロ動かして、車や人の流れを見てたり、交通量の多い通りでの信号待ちでも、鳴かずに じっとしていました。
多分、私と一緒だとどこへでも行ったでしょう。 それほどの信頼関係が生まれていました。